地形の克服「高密度路網」
林業工学研究室
地形の克服「高密度路網」




林道を開設することが困難な地域や集材経路上に保護すべき場所がある場合などには、ヘリコプターを使って集材することがあります。 もっとも、集材に要する経費が高いので材も高価であることが条件となります。京都の北山・奈良の吉野といった有名林業地や国有林の奥地で利用されています。

作業の詳しい図もあります。






山岳林での伐出はほとんどが架線で集材されます。特に、間伐材の搬出では林内で伐倒造材した後に集材され、グラップルローダーを用いて土場の整理やトラックへの積込が行われます。 近年、高知県内ではH形集材といって、2本の主索を張り、それらに挟まれる林地の至る所に真上から材を吊り上げる方式が復活しています。まだ、わずかの事例しかありませんが、これなら残存木を傷めずに 間伐材でも全木で集材できます。造材した丸太を集材するには木寄せといって材をある程度寄せ集める作業が必要です。これは大変な重労働ですから、是非とも全幹か全木で集材したいものです。

作業の詳しい図もあります。






森林地帯に道路が開設されていないと、架線で長距離集材しなければなりません。場合によっては、2組みの架線装置で中継して材を運ぶことすらあります。 しかし、路網がある程度開設されると、より、簡単な方法で集材することができます。そして、より狭い林で少ない材を集めることすら経済的に可能になります。 間伐材の搬出に10年程前から利用されている自走式搬器はラジオコントロールしますので、2人でも集材作業をすることができます。道端に集めて積み上げておけば、 森林組合などのトラックで市場まで運んでくれます。

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やや、緩やかな地域では道を積極的に開設しています。ホイール式運材車は2.5m程の幅の簡易な道を開設しておけば、少々凹凸があっても走行できますので、より、少量の事業が可能です。 しかし、機械の価格がやや高いので休日にだけ仕事をしている林家が所有するには無理があります。専業林家、森林組合、小規模な林業会社などで広く利用されています。この機械にはエンジン馬力が大きいので グラップルローダを取り付けることもでき、高性能機械のフォーワーダーの小規模版のような作業をすることができます。

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多少急傾斜であっても、道幅が狭ければ、結構、道はできるものです。小形のパワーショベルで幅員2m弱の道を開設して、クローラ式運材車を利用する作業は愛媛の久万でよく見かけることができます。西日本を中心に 小規模な林家で普及しています。久万では超高密な路網を開設していて、全ての立木はこの道の上に伐倒できる程です。最近、小形のパワーショベルのバケットをグラップルに置き換えて材を取り回すようになってきており、 作業の肉体的な負担が一層軽減されつつあります。もっとも、これだけの道を造るには技術と良質な林が必要です。高く売れるだけの材をつくっているから頻繁に出入りする林にもっと道を付けようということになるのです。
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さて、全く道がない状態から高密度な道が開設されている状態まで、伐出の方法を見てきましたが、それぞれの中間に位置する作業方法もあります。 小形のタワーヤーダーを使った集材、緩傾斜地ではこれを使って列状間伐することで、全木集材もできます。小形のパワーショベルにウインチを取り付けた 集材は道を自力で開設している林家がよく行っている方法です。また、やや事業規模が大きくなると、大型のパワーショベルも所有していますから、これを 簡易タワーヤーダーのように改造して極めて架設撤去が容易な集材をすることもできます。
ヨーロッパのように牧畜が盛んな地域ではやや大型の農業用トラクタが普及しています。日本で見かけるものよりニ回り大きいものです。実に多彩なアタッチメント が作られていますから、ウインチやタワーヤーダーなどを取り付けて作業することができます。農業用を補強して林業専用として販売されているものもあります。 日本の林業作業用ベースマシーンは何になるのでしょうか、パワーショベル?小形運材車?????

作業の詳しい図もあります。

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